<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 凶宅>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 漢文有假名>
<style2: 日本漢文訓讀附假名標注>
<TranslatedTitle: 凶宅（きょうたく）の詩（し）>
<BookPage: 234-237>
<UsedPage: 4>
<Feature: 4>
<End Header>
<Poem>
長安多大宅，
列在街西東。
往往朱門內，
房廊相對空。
梟鳴松桂樹，
狐藏蘭菊叢。
蒼苔黃葉地，
日暮多旋風。
前主爲將相，
得罪竄巴庸。
後主爲公卿，
寢疾歿其中。
連延四五主，
殃禍繼相鍾。
自從十年來，
不利主人翁。
風雨壞檐隙，
蛇鼠穿牆墉。
人凝不敢買，
日毀土木功。
嗟嗟俗人心，
甚矣其愚蒙。
旦恐災將至，
不思禍所從。
我今題此詩，
欲悟迷者胸。
凡爲大官人，
年祿多高崇。
權重持難久，
位高勢易窮。
驕者物之盈，
老者數之終。
四者如寇盜，
日夜來相攻。
假使居吉土，
孰能保其躬。
因小以明大，
借家可喻邦。
周秦宅殽函，
其宅非不同。
一興八百年，
一死望夷宮。
寄語家與國，
人凶非宅凶。
<End Poem>
<Translation>
長安（ちゃうあん）に大宅（だいたく）多（おは）し、 
列（つらな）って街（がい）の西東（せいとう）にあり。
往往（わうわう）　朱門（しゅも）の中（うち）、
房廊（ばうらう）あひ對（たい）して空（むな）し。 
梟（ふくろん）は松桂（しょうけい）の枝（えだ）に鳴（な）き、 
狐（きつね）は蘭菊（らんきく）の叢（くさむら）に藏（かく）る。 
蒼苔（さうたい）　黄葉（くわうえふ）の地（ち）、 
日（ひ）暮（く）れて旋風（せんぶう）多（おほ）し。 
前主（ぜんしゅ）は將相（しゃうしゃう）たりしが、 
罪（つみ）を得（え）て巴庸（はよう）に竄（はな）たる。 
後主（こうしゅ）は公卿（こうけい）たりしが、
疾（やまひ）に寝（い）ねてその中（うち）に歿（ぼつ）す。 
連延（れんえん）として四五主（しごしゅ）、 
殃禍（わうくわ）　繼（つ）ぎてあひ鍾（あつま）る。
十年（じふねん）よりこのかた、
主人翁（しゅじんをう）に利（り）あらず。  
風雨（ふうう）　簷隙（えんげき）を壊（やぶ）り、 
蛇鼠（だそ）　 牆墉（しゃうよう）を穿（うが）つ。
人（ひと）疑（うたが）って（あへ）敢て買（か）はず、
日（ひ）に土木（どぼく）の功（こう）を毀（やぶ）る。
嗟嗟（ああ）　俗人（ぞくじん）の心（こころ）、
甚（はなはだ）しいかなその愚蒙（ぐもう）なる。 
ただ災（わざはひ）のまさに至（いた）らんとするを恐（おそ ）れて、 
禍（わざはひ）の従（よ）る所（ところ）を思（おも）はず。 
われいまこの詩（し）を題（だい）して、 
迷者（めいしゃ）の胸（こころ）を悟（さと）らしめんと欲（ほっ）す。 
およそ大官（たいくわん）となるの人（ひと）、 
年祿（ねんろく）　多（おは）くは高（たか）く崇（たか）し。
權重（けんおも）くして持（も）つこと久（ひさ）しくしがたし、 
位高（くらいたか）くして勢窮（いきほひきはま）りやすし。 
驕（おご）る者（もの）は物（もの）の盈（えい）、 
老（おい）は數（すう）の終（をはり）なり。 
四（よん）の者（もの）　寇盗（こうたう）のごとく、
日夜（にちや）　来（きた）りてあひ攻（せ）む。
たとひ吉土（きつど）にをるといへども、
孰（たれ）かよくその躬（み）を保（たも）たん。
小（せう）によりてもって大（だい）を明（あきらか）ばし、 
家（いへ）を借（か）りて邦（くに）に諭（たと）ふべし。
周秦（しうしん）　崤函（かうかん）に宅（を）り、 
その宅（たく）同（おな）じからさるにあらず。 
一（いつ）は興（おこ）りて八百年（はっびゃくねん）、
一（いつ）は望夷宮（ばういきゅう）に死（し）す。
語（ご）を寄（よ）す家（いへ）と國（くに）と、
人（ひと）の凶（きょう）にして宅（たく）の凶（きょう）なるにあらず。
<End Translation>